道11
2013/7/27
尊敬してて、
大好きで、
憧れの人は、仕事で半年不在。
いない間、ちゃんと頑張ると宣言して、私はもらった舞台にちゃんと日々一生懸命、自分の最善を尽くして出演した。
初めて、直紀さんの所に来てから、1年以上が過ぎてる。
チャンスって本当にある日突然だとおもう。
今まで頑張っても、箸にも棒にもひっかからなかったのに、
それをつかんだ瞬間から、縁が広がり、お声をかけていただく事が多くなってきた。
できれば、直紀さんの半年間の仕事にアシスタントと言う名でいいから連れて行って欲しかった。
仕事さえなかったら、絶対に一緒に行きたいと我儘押し通した。
だって、彼女出来ちゃったら困るし、
いつも、どこかで気配感じてた家の中にいなくなるのが寂しかった。
でも、もうすぐ帰ってくるはず。
メールとかって、無精だからなのか、忙しいからなのか、たまーにしか来ないけれど、
もうそろそろだからって、この前のメールに書いてあった。
もうそろそろって、いつ?
聞きたかった質問を押しとどめて、いつ連絡があるのかと、
メールチェックする日々。
早く会いたいな。
「え?」
灯りがついてる。
千秋楽で心地よい疲れで家に帰ってきたら、サプライズ?
やばい、12時過ぎてる・・・けど、大丈夫かな。お疲れ様会だものね。仕方ないよね。
「ただいま?」
「お帰り」
「直紀さん!お帰りなさい」
「いつ帰ってくるのかと思ってたのに。連絡してくれたらよかったのに」
「そしたら、千秋楽ソワソワして仕事にならなかったんじゃないか?」
「プロですからそんな事ありません」
ふっと笑って、頭なでてくれる。
嬉しい。
そこまではよかった。
「で。なんで午前様になりそうな飲み会があるのを事前に連絡してこないんだ?」
「今までだって、不在の間、そんな事が頻繁にあったんじゃないのか?」
まずい。
「きょ、今日は、お疲れですよね?その話は・・・」
「彩花?」
怖い
「はい」
「質問、はぐらかす気?」
「そうじゃないけど」
「でも、折角直紀さん帰って来て、嬉しい日なのに」
「反抗するんだ?」
「素直にゴメンナサイ言えなくなってるのはなんで?」
「だって、やだ」
「やだ?」
「だって、お仕置きするんでしょ?」
「するね」
「だって。今日じゃなくったって」
「じゃあ、ごまかして、うやむやにするのが良い事だとでも?」
「そうじゃないけど」
「けど」
・・・
何も言えない。
自分が悪いし、この状況で、お仕置き無しならない事は分かってて、
さらには、お仕置きされたく無くって、ぐちぐちしてるこの態度も絶対お仕置き追加になるのも分かってての
展開・・・。
もう何も言えない。
「直紀さんにメールあんまりしたら迷惑かなって」
「家に帰る時間が遅くなるとかは、報告すべきじゃないのかな?」
「俺がいない間は、自由に、勝手気ままにしていいとはならないよね?」
「わかってるよね?」
うぐぐ。
「今日は特別だから」
「特別だと、事前の連絡無しでいいのか?」
「ごめんなさい」
「お仕置き、怖い」
「お仕置きは痛いよな。嫌だよな」
「うん。あ。はい・・」
「それなのに、なんで悪さするんだろうな?」
「分かってないからだよな?」
「分かってない子には分からなせないとだよな」
ひいいいい。怖い。
まじで?違う。違うのに。なんで反論できないの?なんで上手く説明できないの?
直紀さん、マジだよね。
「ごめんなさい」
「反省は後で聞く。膝においで」
うそ。行きなり脚組まれた場合は・・・。そんなに?
えーーん。そんなに悪いと思ってなかったんだけど。そりゃ、ちょっと門限過ぎたりはするよね?
打ち上げだよ?
パチン パチン パチン パチン
酔いが醒めていく。てか、微妙にまだお酒飲むの良い顔されない訳で・・・。
一杯位だから分からないよね?
「他に隠してる事は?」
・・・
「いない間の悪さ、全部喋るまで膝から下ろさないからな」
「痛くて思いだせない」
「結構」
パチン パチン
わー、情け容赦ないコース??
「2回位遅くなった・・かな? っていっても、でも、でもそれも打ち上げだったから」
パシン パチン
「あ、あと、遅刻を、その、」
「聞こえない」
「遅刻一回して、お稽古するの遅れました。でも、それは前のスケジュールが押しちゃって」
「前のスケジュールは、稽古仲間には関係ない」
そうでした。
「叩けば埃が沢山でてきそうだな」
「もう反省十分にしました。痛い。痛い。痛い。久しぶりに会ったのに、膝の上やだああああ」
「やだじゃない。反省してないから、嫌という言葉がでるんだろ?」
頭では反省しなきゃって分かってるのに、感情が、それを認められない。
せっかく久方ぶりにで会えたのに、辛いよー。
「パンツ下ろすぞ」
そう。今日は、下着着けたままなの?って思ってたんだけど、甘かった。
さらに、痛みが強くなって、もう限界。
悲しくて、痛くて、頭で何も考えられなくって、
終わって欲しくって、
直紀さんが好きすぎて、悲しかった。
膝から下ろしてもらっても、今日は悲しくって、痛みだけじゃなくって、悲しさのあまり
顔をあげられないまま、お尻にタオルのうつ伏せ状態。
「自分でちゃんと出来ると宣言してたっていうのに、これだ」
「まったく」
無視。
だって、放っておかれたく無かったんだもん。
それくらい、大目にみてくれたってよかったのに。
大したことじゃないのに。
私の反抗心がふつふつとわき起こる。
「今日の舞台はよかった」
「頑張ってたのは、舞台みたら分かったけど」
「え?」
「直紀さん見てくれたの?」
「急に元気になったな」
「急にふくれるんだな」
ひどい。
でも、
見に来てくれた?
直紀さんが良かったと言ってくれた!
嬉しすぎる。
お尻痛いけど、嬉しすぎる。
やっと一つ、認めてもらえた!
「自分の頑張りが、人の目に止まる事もあるし、止まらない事もある。人からの評価じゃなくて、
自分で自分を褒める事。わかった?」
「お酒飲んだ罰は明日な」
「えっ」
「正直に言わなかった分とあわせて。今日は頑張ったから特別に分割にしておいた」
ドSだ・・・。この人。
そうだった。千里眼だったんだ・・・。
「明日?」
「今からにするか?」
ふるふるとクビを振ったものの、どちらにしても、気が重すぎる。
「芝居は、本当によかった」
「さ、俺はもう寝るから、お尻自分で大丈夫だとおもったら、片づけしとくように」
「ふあい」
「返事はきちんと」
「はい」
「明日しらふの状態で一つ一つ確認しとこうな」
いい。
そんなの、しなくって、いいいよーーーー(泣)
優しいのか、意地悪なのか?
鬼なのか、鬼なのか、鬼なのか・・・。鬼なんだよね。
やっぱり体育会系気質は、そいう言う事にこだわるんだよね。
てきとーに許してくれたりしないんだよね。
折角半年ぶりに師匠に会えたのに、全然ロマンチックじゃない。
2日連続って、いつ以来だろう?
すでに、お尻、痛いから。
自信無い。大人しく膝の上で受けられるかどうか。
こと、お仕置きに関しては、私の意志が関係無い事もわかってる。
でも嫌なの。お仕置きはされたくない。
信じられない痛さだし、
信じれ無い位、本当に謝るまで、許してもらえない。
許してもらいたくって、早く終わって欲しくて言う、ごめんなさい連呼は無視されるんだよね。
違うっていうのがばれるのは、同じ、ごめんなさいと言っている、どこに違いを見つけているんだろう。
考えても仕方ないな。
あきらめよう。
ああ、でも本当はあきらめられない。
密かに、もしかしたら、明日、軽く済ませてくれるんじゃないかと期待しちゃう気持ちがある。
~蓮の花~