アオ8

2015

「写真禁止、スマホは部屋においてこい」


ふーちゃんにせめても写真とか。

ふーちゃんにせめても音だけでも。

って思っていたけど、兄貴に先手を打たれた。



「ふーちゃんには、打ち上げは参加禁止だと言ってある。メールをチェックする程無粋じゃないが、スマホの持ち込みは禁止」


「知美、返事は?」


「はい。置いてきます」



という訳で、ふーちゃんがポツンと一人寂しそうにしているであろうとは、兄貴だって容易に想像つくはずなのに

がっつりとお灸をすえ、猛烈に反省させるというその姿勢にある意味感心する。

反省してない。って判断されたら、微塵の交渉の余地もない。

妹だからするという事だけじゃなくて、他人にも、自分が守ると決めた人にはそれが出来てしまうのって、変人の域だと思う。
自分の兄ながら呆れる。


お兄ちゃん、もてなくなるよ。


と、思うのに

ふーちゃん、嫌いにどうしてならないんだろう・・・。不思議。


私だったら嫌だな。


兄貴だから仕方ない。と思っているけど、こんな兄貴の事が好きなんて、本当に奇特だよね。


兄貴もそれをちゃんと分かって、ふ―ちゃんの事、甘やかしてあげたらいいのに。


宴会中、じーっと思わず睨みつけるように兄貴を観察していたけれど、場を盛り上げ、さり気なく皆に気を配りと

ふーちゃんをあんなに厳しく怒る面を持っているとは思えない姿なんだよね。



なんだか、皆それぞれだな。


アツシさんも歌声最高に素敵だけど、それだけが、アツシさんな訳じゃない。

日常においてはまた違う一面を持っている。


誰もがほんの一面づつしか見せて行かないのだから、その切片が沢山触れ合えたら、お互いを少しでもわかるような気になるのかな。



「お前はお開き。もう部屋に戻れ」


お兄ちゃん達の宴会は続くみたいだったけれど、反抗の「えー」という言葉が言える訳もなく、

徹夜だって本当はできるのに!というのが顔に出ないようにしながら


「はい」と答える。


私一人だけ先に・・・って。子供扱い。


ふーちゃんいたら、二人で布団の中で、永遠に喋っていられるのに。

ふーちゃんがいたら、兄貴の子供扱いについて、永遠に悪口言い続けるのに。



「ふーちゃんは、明日お仕置きだから」


「私別に聞いてないし!」


「お前に睨まれたとしても、お仕置きはお仕置き。悪い事したらちゃんと叱る」


「睨んで無い・・・」


「ねろ」


それだけ言うと、

お兄ちゃんは輪に戻って行った。


やっぱり、やっぱり、変人だと思う。


我が兄だけど、手に余る変人ぶり。