アオ9
2015
長い足を組んで
腕を組んで
下から私を見上げる甲斐君。
私は、授業中に立たされた生徒みたいな気持ちだけれど、それよりもっと実は状況は悪いと思う。
「昨日は、参加できなくって悲しかったです」
「もうしません」
「で?」
・・・
これ以上何を・・・
だって、ゴメンナサイって最初に言ったし。
だって、私もうしないって言ったし。
「お仕置き覚悟して来たんじゃなくて?」
真っ赤になってる。私。
「お仕置きするって言ってあったよね?」
だから、返事なんて、できるわけ無い。
それなのに、それなのに、甲斐君は手を緩めず、むしろ凄い勢いで追い詰めて来る。
喉がからからで、声が出ません。
もう一層の事、この防音室から無言で立ち去り、このまま帰ってしまいたい。
あ。でも。駄目だ。そんな事したら二度と甲斐君会ってくれなくなる。
恥ずかしさと、嫌なのと、困惑で一杯の私に、助け舟は無い。
「・・・は・い・・」
「覚悟はしてきた?」
・・・
カクゴッテナンデショウカ?
「反省ちゃんとできるまで、厳しくする。この間は手加減したし、だいぶ助けたけどね、今日はふーちゃんが自分で反省するまで助けないから」
この間だって、殆ど助けてくれなかったと思う。
何を助けてくれていたのか、ちっともわからないよ。
「布由子反省してます。甲斐君に言われた事守ります。だから」
「だから?」
「いえ」
「最後まで言いなさい」
ひい。そ、それは言葉のあやで
「「でも」「だから」それって反省してない時に使う言葉なんだよね」
ぐうの音も出ません
国語力半端無いね。甲斐君。
この場合、知美に言われた通り、反抗しては駄目だ。
甲斐君が好き。甲斐君が好き。甲斐君が好き。
3回唱えて、それでも好きだったら、お仕置きされるのは仕方ないとして受けようって、あれほど事前に色々考えていたのに、
実際は、やっぱり嫌。
「お仕置きされるのが恥ずかしかったから」
「約束破る方が恥ずかしい事だけどね」
「つい」
「ついで悪さされたらたまらない」
いちいちもっともな返し・・・
ふえ
な、何回だろう・・・
「甲斐君、ゴメンナサイ」
「な、何回?」
ぞ。
今にっこりほほ笑んだよね。
「何回がいいかな?ふーちゃんの態度次第だね」
「僕は態度でしか判断しない。反省してるなら、痛くてもじっと我慢するんだろうけど、反省してなかったら反抗的な態度なんだろうね。きっと」
「ち、違う・・・と思う」
「敬語」
「違わないよ。さて、始めようか」
オニ。
「ふーちゃんの反抗的な顔は、分かりやすいね」
「反抗じゃないもん!」
ひーーーー。でた。膝の上に強制的に乗せられて、恥ずかしい
ぐいって膝の上に乗せられた後に、ぐっと腰を押さえられるともう、動けない。
「や、や。スカートやだ。やだ。恥ずかしい」
「パンツ下ろすから、暴れるな」
スカートやだって言ったのに!なんでパンツまで下ろすの!酷い。
気のきく甲斐君だったら、私が本気で嫌がってるの分かるはずなのに。
「悪い事して、別に痛い目にも、いやだと思う事も体験しなかったら、ふーちゃんは、悪さし続けるからね」
「お仕置きが嫌なものだってちゃんと認識して、もうしないと反省できるまで厳しくするから」
「反省した。もう、もう分かりました」
パチン
パチン
「ひっ」
「や。お尻痛いのやだ」
「痛い」
「甲斐君、かいくーーーーん。イタイ。イタイよ」
「痛い―――」
「違うの。ふゆこ、違うの。間違っちゃったの」
「だ、だから、ごめんって言ったじゃん?」
「甲斐君。もう、もういい。もう十分痛いから」
最初のうちはぶつぶつと言えたのに、
そのうち、
イタイ、イタイ としか言えなくなってくる。
私が何を言おうと、
私がもがいて、膝の上から脱出しようと
全くびくともしない
「反省してるのかー」
とたまに言う位で、「誰が悪いの?」とか「ごめんなさいは?」 とか、
言いたくもない言葉を引き出そうとして、追い打ちをかけて来る。
「か、甲斐君の手が、腫れちゃうから、もうここら辺で・・・」
「余裕だね。ふーちゃん」
そういって、全く取り合ってくれない。
い、いくつ?
「昼間だから特別に見に来ていいと言ったのに、見たら真直ぐ家に帰る約束を破るなんて」
「ごめんなさい」
「声かけられて、ホイホイ付いていくなんて」
「ホイホイでは無かったの。断れなかったの」
「断りなさい」
「はい」
「この間お仕置きした位じゃ、お尻もあまり痛く無かったようだからね、今日は痛くするよ」
「痛いです。もう、もう十分イタイです」
「十分かどうかは、僕が決める」
「ふーちゃんは反省しなさい」
「だから、反省してるぅってばー」
「だから?どの口がそんな上から目線な事を言うんだろうね。膝の上に居る事を忘れる位じゃ、まだまだ」
そういって、何かとあげあしを取り
何かと、追加するような展開をし、
甲斐君のお仕置きは続く。
さっぱりした性格だと思っていたのに、
根気強いのかも。
嫌だ。そんな甲斐君じゃなくていい。
あははって笑い飛ばして、もうするなよ!っあっさりしてくれたらどんなにいいか。
「ふーちゃん、分かった?」
え?
なんだっけ?
「はい。わかりました!」
終わってくれるのなら何でもいい
「じゃあ、今言った事復唱して」
ドSじゃない?
わかりませんって言えない・・・。
「聞いてませんでした」
「そうだね。最初っから素直になろうね」
「ごめんなさい」
「少しは反省した?」
「はい!!!」
それはもう、甲斐君、私猛烈に反省してるよ!
「良かった」
「じゃあ、何回にしようか」
「え?」
まさか、終わり・・・では、無いという感じの展開?
「まず、20。それから考える」
なぜ、20だったのか分からない。
20の区切りごとに、数が何で増えて行くとか?そー言う意味?
やだ。やだと言いつつも
いつの間にか、確かにふゆこが悪かったんだよねって本当に反省していたみたい。
やっとだったけれどね。
それでも、すぐに手は止まらなくって、
「何が悪かったんだっけ?」
という質問にちゃんと満足行く回答が出来た時、もう一度手止まった。
「お尻冷やそう」
終わった~~~!!!
長かったよここまで
そっと乗せられたタオルが心地良い。前は知美が介護してくれたんだった。
痛かった。
オニだった。
何かまずい事ばかり言って、数が増えて行って、本当にどうしようかと思った。
「そろそろ良いかな。もう一度膝においで」
「や。やだ。もうやだ」
「終わりでしょ?」
「終わりなんて言って無いし、やだじゃない」
「反省してないからそういう言葉が出る訳で、最初に言ったかと思うけど、今日は反省出来るまで許さないよ」
えーーーーん
終わったと思ったのに?
なんで???
布由子ちゃーんと反省したし、
反省したって伝えたし、
なのに、まだ??
甲斐くんの事が、もうわからない
~蓮の花~