アオ3
2015/02/21
甲斐君の顔が近い。
『ふーちゃん』じゃなくて、『ふゆこ』と呼び捨てされて、顔をあげたら、すっごく
近い所に甲斐君がいて、嬉しかったのもつかの間。
「本気でお仕置きされたいみたいだな」と真顔で呟かれた。
「本気でお仕置きされたいみたいだな」と真顔で呟かれた。
ひっ。と叫びそうになった。
すっごい美形なだけに、半端ない凄み。
『こらっ』なんてちょっと叱られたいとは、確かに思った。
でも、なんだかんだいっても、お仕置きをされるのは、やっぱり現実感無い。
お説教位は我慢できるけど、お尻は叩かれたくない。だって、そんなの、恥ずかしい。
『叱られた!』っていいながら、不満たらたらで甲斐君について
話しする知美見ると、いつも羨ましかった。
大切にされてる。
でも、
ふゆこ、痛いのやだ。
叱られるのも、やっぱり嫌。
「お仕置きは、い…らない」
「言葉使いには気をつけろよ」
ふるふると全身で震えてビビってる割には、
覚悟できてる訳じゃないみたいだな。
まあ、叱られるということが、どんな感じかは身をもって体験しないとわからないんだろう。
「反省できないまま、この部屋から出られると思うなよ」
どうしよう。
本当にお尻ペチンされるかも。
好きな人に?
恥ずかしい。
すでに後には引けない状況をようやく理解したけど、嫌なものは嫌。
どうしていいかわからなくって固まる。
「いいか?真面目に聞けよ」
低い声がふゆこの心を揺らす。
なんだか、様子がつかめない。
甲斐君と一言二言でも言葉を交わしてもらうだけで舞い上がる女子の私に、この人は、なにごともなく、距離を縮めてくる。
イケメンで、
多分女性の扱いもエレガントで、
こっちは、色気全開の手慣れた所作にいちいちときめいてると言うのに、甲斐君の余裕で憎らしい。
知っていてやっているの?
知っていてならば、どれほどの数の女性が夢中になってきたんだろう。
「俺の説教中に、上の空とはいい度胸だ」
「やっ。怖い」
無意識同然に、首に手を回して、そっと
甲斐君の肩に顔をうずめる
「甘えるのは後だ」
「甘える気力が残ってるかはわからないがな」
いちいち、ドキドキする。
そんな場合では無いと思う一方で、心臓が勝手に鼓動を早める。
「お仕置き、嫌なの」そういったのに、
「お仕置き。お尻は真っ赤になるだろうな」
耳元で、低い声でそっと囁かれて、引き剥がされた。
「恐れ知らずな行動の代償は高いと覚えておけ。興味本位で、叱られる理由作りに走らないよう、しっかり教えとく」
ちえっ
ギュっとかして欲しいのに。
「はじめるよ」
え?や。やだ。
恥ずかしい!
大好きな人なのに。
純情な乙女の女子高生にする事じゃないよね?
ふぇ。
甲斐君の膝に乗せられた恥ずかしさに
赤面した瞬間、
パチン パチンと無言でお尻を叩かれて、怖くなる。
「や…」
「痛い。痛い。痛いです。やだ。やだ」
「やだ」
「ふゆこ、お仕置きやだ」
「終わり。お仕置きおわりー」
そんなに思った程痛くないけど、
このシチュエーションは恥ずかしい。
一回ペチンじゃなかった!!
「ライブ。本番をみたかったんだもん。ふゆこ応援したかっただけだもん」
「ひどい。こんなの、ひどい…」
手が止まった。
無理!
本当に無理だから!
立ち上がって、逃げだしたい位に最悪なのに、
なんか動けない。腰に回された手が私が逃げ出さないように、ぎゅっっと力が入ってるんだもん。
そして、えらく恥ずかしい。
お尻の上にまだ手が乗っているのが嫌。
「まだ、一度もごめんなさい聞いてないぞ」
…
やだ。
そりゃ、来ちゃいけないって言われてはいたけど。
ライブに行ったふゆこが悪いけど、ぶいっとしてたら、ペチン!
「やだー。いたいー」
あれ?甲斐君に叱られたら、
知美とは違って、私なら
素直に言うこときけるなんて思っていたのに。
無理だよ!
なんで、反抗しちゃうの私?
わかんないけど。
わかんないけど。
叱られたら、素直になんかなれない。
優しい甲斐君にしか
素直になんかならないんだから。
お仕置きする甲斐君なんて大嫌い。
パチン パチンと再開されて、怖くなる。
態度悪いと絶対に許してくれないって知美が言ってた。
「ごめんなさいはどうした?」
意地張ってるだけのプライドは、粉々にして反省させるだけだが、なにをむくれているんだか。
最初から、
あまり厳しくするつもりは無かったものの、
ふーちゃんが、反抗するなら
自業自得ってことわざおしえるだけだ。
「言うまで終わらないぞ」
助け船を出しつつ、お仕置き続行。
鬼だ
痛い。痛い。
知美が言ってた。
ごめん言わないと、
反省してる態度にならないと許して貰えなくて、
すごくお仕置きの時は怖いんだって事を。
『だから、なるべく素直にね』そう言っていたけど…
やだ。もう。痛いのこれ以上続くの嫌なの。
「ごめんー」
パチン パチン
「ごめんなさいだ」
ああ!もう、だから、お尻が痛いっていうのに。
ゆっくりとリズムよく叩かれてると、痛さが段々増してくる。
何故膝の上なの?
何故、抱きしめて、優しくしてくれないの?
トントンって抱きしめてくれたらいいのに。
パチン パチンなんて嫌
握りこぶしに力が入る
「ごめんなさい」
ついに、根負け
手が止まった!!
ほっとしたら、
「声が小さくて気持ちがこもってない。もっと大きな声で」
うそ。
パチン パチン
もう。もう。
わかったからー
「ごめんなさい」 早口で、ぼそっとだけど、さっきよりは大きな声で仕方なく言う。
手が止まってほっとする。
強張って、全身に力が入っていたのが、ちょっと緩む。
「聞こえない」
絶対に聞こえてるくせに。
お尻に手が乗せられたまま、数回言い直しをさせられて思わずすっごく小さな声が漏れた。
「バカ」
「いい度胸だ」
やっぱり!聞こえてるくせに。
甲斐君の意地悪。
ぐっと甲斐君の方に引き寄せられて、腰に回された腕に力が入ると
信じられない位痛いのがパチン!って!
ヤバいってなった。
「や!」
「それやだ」
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
「今のは自分に対して言ったたの!」
「仮に自分に向けてもそんな言葉つかうなんて、許さない」
「嘘ついて誤魔化すのも許さない。
「最初に口には気をつけろといったはずだ」
「ふーちゃん」
「生意気なのは、かわいいが、お仕置き中の態度は学ぼうな」
…
あくまでも厳しい。
嫌なのに、嫌なのに、もういいよって、許して欲しいのに、
そうじゃない。ちゃんと反省しないと許してくれない・・・。
「わかった?」
「はい!
わかりました!
もう、絶対に言いません!」
「よし!」
「お仕置きはじめるか」
慌てて膝から降りようとしたのに、がっつりホールド。
うそ
うそでしょ?
始めるって??
どう言う意味かわかりません。だって。だって・・・・もう沢山お尻ペチンされたのに。
~蓮の花~