アオ13

2016/2/13

なんで、甲斐君に家においでっていわれたのか・・・?

 

なに?理由言ってくれたらこんなにもやもやした気持ちにならなくて済むのに。


呼び出しと言う事は…

まさか。まさかね。


でも、もしかして…??

 

 

 



もし、そうだったらどうしよう

 

家にあげてもらって、後ろめたい事もないのに、お茶いれてもらってその後

どうしたらいいのか分からなくて気まづい。



「ふーちゃんは、僕に隠し通せてる思ってるのかな〜?」


直球質問。展開はなんとなく想像できるんだけど、

でも、甲斐君がなんのことについて言っているのかが分からない。


無いよ


まさか


甲斐君に隠し事なんてしないよ。

大好きなんだもん

その人に隠してるなんてしないよ。


「甲斐君に、いうこと??」

恐る恐る探ってみる


「ふーちゃんが自分で言うの待っていたんだけど?」


「な、何のことか思いつかない」

「・・な・・・んのこと?」


「真面目に答えような?」

「俺が怒る前に」


「まじめです。ふゆ、まじめに真剣に考えてます」


もう、怒ってるくせに

なにもないのに

何で?


「ふゆこ?」


この呼び方はお仕置きするときなんだよ。糸口は分からないし、泣きそう。


「嘘つく子にはまず、膝の上でお説教にするか?」


やだ!恥ずかしいことを平気で言うなんて!


お尻痛いの大嫌いなの知ってるくせに!


お仕置きされそうな予感はしていたけど、それをはっきり言うなんて、脅しだからね。


「やだ。甲斐君、しないで。ふゆお仕置きやだ」


「ふーちゃんが、自分で言うの待っていたんだけどな」


やれやれ、口を割る気は無いわけだ 



「黙ってこの前のライブに潜り込んだことは許すつもりない」

仕方ないからさらっと言う。



バレてないと思ったのに!


「か、甲斐君、それは、だってどうしても行きたくて」


「黙って来て、さらにそれを隠してるなんてな??」


わー。会話全然噛み合わない。怖いお兄さんに絡まれた時、ドラマだったら

言い返しちゃうとかあるかもしれないけど、

ふゆには無理。

イケメンが静かに包囲を固めて来てるし、

ふゆこが悪い事したのは事実。しかも、バレテないと思っていたのに

完全に見つかってたなんて。


「なんでそういうことする?」


「ふゆこ!返事は?」

雷が落ちた!!!怖いよー


「だって見たかったから」


「そんなの理由にならない」

静かに淡々と喋るいつもの甲斐君の声なのに、怖く聞こえる


「風邪だから大人しく家にいる約束だったんじゃないのか?」


「か、甲斐君とは約束はしてない」


「ふーん。ふゆこはそう言うこと言うんだね」


「あ、あ。ちがっ」

ほっぺたつねられて、うまくしゃべれない。

 

「一度口から出た言葉は取り戻せないよ」


涙目の私見ないで。

抓られた所は、たいして痛くも無く、軽く引っ張られた位なのに、急に悲しくなった。


「や、甲斐君、怒らないで」


「お仕置きされたくないんだよな?」


「え?」


お仕置きは絶対いやだけど。


「約束は年に一回だけのライブ、2回目だよな?しかも具合悪いのムリして来たりして」


だって、初めて去年甲斐君の歌声聴いたのは、バレンタインのそのライブの時だったから。


「俺に正直に言えないことするなら、ふーちゃんは練習も出入り禁止」


「か、甲斐君??」


「ごめんなさい」

「ごめんなさい」

「怒られるの怖かったの」


「怖かっただけじゃないだろ?」


え?



「嘘突き通せると思ってたよな?」


「隠し事してる罪悪感もなかったよな?」


「膝に乗せても懲りないだろうから、もっとふゆこが反省するような事にする」


でも、でも、その罰はあまりに辛い。


涙がこぼれそう


「かぃくん」

「前に行ったよな?お仕置き覚悟の悪さならそれなりの痛いのするって」


「怖いよー」


「ふーちゃん、僕は怖いよ。悪いことする子にはとびっきり怖いだろうね」


「こそこそするなら、練習場へ来る事は認めない」


「正直に甲斐君にいいます」

「心入れ替えるから」


「出禁はやだ」


「お仕置きは痛いよ」

「ふ、ふゆこが悪かったから当然だから」


「甲斐君のライブが見たかったの」


「わかるけど、自分の体大切にしないような事はしたらダメ。わかった?」


「ライブ来て具合さらに悪化したら俺が困る」


あ。そうか

それを、一番怒っていたのか。やっぱり、甲斐君はどこか優しい。


「身体は大切にしろ」


「はい」


「出入り禁止な」

 

「やーーー」


やっぱりオニだ。断然鬼だ。


「1週間お掃除担当とか?なんでもするから、練習する時いさせて」


「甲斐君お願い」


「言うことなんでも聞くから」


「何でもねー?」


「なんでもします!」


「俺、交換条件とか興味無いんだよな」


なっ、なんで!!期待させといて!


「どうしても。どうしても甲斐君が弾く所みたいです」

「練習での甲斐君も、ライブで演奏して歌も歌う甲斐君もみたいです」

「ふゆがあきるまで、どうか見せてください」


ありったけの情熱をぶつけて、頭を下げた。

ふゆがいけなかったし、どうしても見たい。

ここには迷いは無い。

 

甲斐君のステージ姿が私を揺り動かす原動力なんだよ。

胸がじーんってなる感覚。

どう表現したらいいの変わらないけれど、甲斐君の奏でる音に夢中。


「ふーちゃんには、まいったな」


「そんな本気ぶつけられたら、揺らぐだろ」


「揺らいで!甲斐君ーー!」


駄目だ、ふーちゃんは真面目なのは分かるが、揺らいで??ってなんだ?なんかツボに入った。


あれ?甲斐君?

なんで笑ってるの?


「今回だけだぞ」

笑い堪えきれずに、腕で口元隠すけど、無理だわ。天然ふーちゃんだな。


「ありがと!ライブもいい?」


背中向けて笑い続ける甲斐君。

どうしちゃったのかな?



「それは、別」


「ケチ」


「ふーちゃん、ケチじゃないでしょ」


「はーーーい」


「返事は短く」


「…」


笑い出したのは謎なまま、急にまたうるさい事言われて嫌だった。


「ふーちゃん、返事は?」


しない。

しない。

さっき、返事ならしたもん


「また、反抗か?笑いすぎて怒る気失せたが、きょーいくするか」


「ま、まって」


「や、手首つかんだら・・・」


「つかんだらなに?」


「自分ではさすがに言えないよなー。『お仕置きされる??』っては聞けないか?」


「甲斐君の意地悪」


「お仕置きしようか」


「お転婆には、ちゃんと従うルールを守れるように反省してもらう」

・・・

痛い。めちゃめちゃ痛い。

 

膝に私を乗せた甲斐君。もうそんなに怒って無い風だったのに、とんでもない。

ビシビシとお尻の下の方を叩くなんて、笑っていた甲斐君はどこに行っちゃったの?


「やー。痛いのやだ。ごめんなさい」


「甲斐君、お仕置きしなくても、ふーわかるから」


「ふーちゃん、僕に見つかった悪い子は、お尻はビシビシ叩かれるんだよ」


「何でも言うこと聞くんじゃなかったのかな?」


今日の甲斐君はクスクスしながら、私を膝に乗せたから、もしや楽勝か?と思ったのに、甘かった。


お尻の下の方を重点的に叩かれ、泣き言いいながら、何度もごめんなさいを言わされた。


「お尻いたいー」


膝から降ろされて、あまり長くなかったことにほっとしながら、訴える。


「痛いようにお仕置きしだから」


「口で言ってくれたらわかるのに」


「隠し事する子がなに言ってもだーめ」


「で、チョコのお返し」


そりゃ、お仕置きは終わってるけど、

お尻もしまってるけど、


全然嬉しく無いシチュエーションで渡す甲斐君はデリカシーゼロだから!ホワイトデー楽しみにしていたよ!でもお仕置きの後ってなに!!


「もっとロマンチックな感じがよかった」


「マセガキだな」


「高校生だもん!ガキじゃないから!」


「はいはい」


「ふーちゃんが悪さしなかったら、いつかロマンチックなお返しできるかもな」


ん?条件付いてたけど、チャンスはあるのかな?


「ねー、チョコっていっぱいもらうの?」


「ん?ちょっとだけだな」


「もてねーから」


「嘘つき」


「私には嘘ついたら駄目っていうのに、甲斐君は嘘ついていいの?」


反撃だもんね。

ともちゃんから、毎年紙袋がすごい数になるって聞いてるんだから!


「ロマンチックな返しがいいんたろ?ふーちゃんは」


にっこり微笑むなんて


なんて、なんてずるいんだろう。女ったらし。


「そう」


あっさり引く私の場数の少なさよ…


「わかった。じゃあ、ライブのチケット今度プレゼントするから、都合ついたら来てよ」



え?


嬉しすぎて、思わず甲斐君の首に抱きついた


「甲斐君、ありがと!めちゃめちゃ嬉しい!!!」


女を喜ばせる腕を持った女ったらしは、結局のところ悪く無い。


「歌ってね?」


「ん?どうかな?」


「歌って」


「考えておく」


やった。

しない約束しない人だもんね


「ともちゃんと一緒に行っていいよね?」


「交渉上手だな、ふーちゃんは」


「1人じゃやだーー。楽しかったの分かち合いたいよー」


「わかった。知美も一緒においで」


まあ、俺は知しってるけどな。ふーちゃんは一人だって見に来れる子だって事くらい。