優しい誠司が好き。
一緒に居られるのが楽しくて、楽しくて、楽しくて、大好き。
「あの~さ」
「誠司が寄り添ってくれて、というか、伴走してくれてから、私だいぶ素直になったよね?」
「ん?」
「初めてタロットした時から見たら、頑張ってはいるな」
「うん」
「でね、誠司が好きだから、ちゃんとできなかった時に、急にデートが無くなってお仕置きの時間になるのが嫌なの」
「デートは、デートがいいの」
「だから、その、いっぱいいっぱい会えるゴールデンウィークは、その、お仕置き無しにして欲しいの」
「デートを楽しみたいの」
「お仕置き前提なのか?いつも言ってるだろ、別に叱られるような事しないで、素直でいたらお仕置きしないって」
「じゃあ、お仕置きはゴールデンウィーク明けにたっぷりするのか?」
「違うもん。だから~」
「例えやらかしちゃったとしても、お仕置き無いと思ったらのびのびと自分でもう頑張れるっていう事なの」
「だから、その、ちゃんとするからお仕置きはもう無しにして欲しいってこと」
「冗談だよ。プリプリすんな」
「前から言ってるけど、これについては俺はやる、やらないを強要はしてないよ。ななが自分が変わりたいといった
頑張りたいことができるのなら、別にその方法でもいいよ」
「え?いいの?」
今まで、散々お願いしても駄目だったのに。
「いい」
ゴールデンウィークからはお仕置きなし!やった!願いがかなった!!嬉しいーーー。
「ま、トライアル期間ってやつな」
「お尻叩かれなくても、自分で一生懸命やれるなら、もちろんそれがいいと思うよ」
「ただし、素直に言葉受け取る姿勢だったかどうかはゴールデンウイーク明けに検証しような」
「お仕置きが必要だったらその時する」
ポンポンって頭撫でられて思わず「うん」って言っちゃった。
あ、あれ?
試したことが上手く回るかを検証するというのは、よくあることだし、正論だけど、
ちょっと今の優しい口調に流されて即答しちゃったけど、
うん。まあ、大丈夫でしょう!
お仕置き無かったら、なんでも素直に言えるもんね。わーい!
****
今思った事、素直に言ってごらん
それで、どうなの?
人は人でしょ。ななはどう思うの?
デート中、いつもよりいっぱいそんなような事を都度誠司から言われた気がする。
その度に口ごもっちゃった。
だって、それは私が感情を押し隠そうとした時ばかりだったから。
素直に気持ちを言えない。そんな時ばかりに言われた気がする。
『そんなに言わなくったって、やろうと思ってるし!』って癇癪起こしたときだって、
私、自分が悪いのわかってたのに、『ごめんなさい』って言えなかったな。
その時、自分のなかにあったもやもやする気持ち、ちゃんと言えなかったし、ごめんなさいはとうとう言えなかった。
誠司に当たるなんて。
自分が悪いのに。明日きっとこのことは叱られる気がする。
他にも叱られるのかな。
やだな。明日誠司に会うの。
****
「時間に遅れないで来れたのは偉いな。俺の教育の賜物かな」
ななはすぐに顔にでるからな。
相当ビビってるな。そんな悲しそうにしても、手は抜かないけどな。
「そこ座って」
「うん」
そりゃそうでしょ。約束の時間に遅れたりしたら、即膝の上に決まってる。
私が今日、こんなに緊張しているのに、誠司は余裕たっぷりな所が憎らしい。
「今日は敬語な」
ドキッ
まるで、今日はお仕置きの時間だからと言われたのと同じ響。
「はい」
「で、どうだった?お尻叩かれない方が、自分で出来た感じなのかな?」
・・・。
「なな?」
出来たって言ったら、出来てなかったでしょって言われちゃうのかな。
どうしよう。
「怒らないから言ってごらん」
「なな?」
「俺はね。お尻叩かなくても、別にいいと思ってる」
「自分で努力出来る?」
できる。と思う。でも実際、逆ギレして、しかも謝れてない自分がいる。
それが苦しいのに、今日もそれを自分で言えてない。
どうしよう。
「こら!ずっと黙ってるとは手がかかる」
「甘やかすと返事する礼儀も忘れるのか」
どうしよう。なんていうのが正解なんだろう。
「わかった。今から、行儀が悪い分はお仕置きする」
「お仕置きしないといけない態度だと判断したら、今後デート中だろうとなんだろうと
生活態度においてはいつでもお仕置きすることにした」
「誠司、違うの。出来てると言ったら叱られるかもしれないと思って。だけど、
お仕置きはされたくなかったから、なんて言ったらいいのか迷っちゃってたの」
「それに、素直じゃない事はたくさんあったと思うけど、それはどう思ってるの?」
「そうやって、黙る。黙らずに自分で答えなさい」
「出来てない事指摘されて、素直に聞けない事は、あった」
もう。もう。駄目だ。
「ごめんなさいも言えなかったよね?」
う。一番気にしてた事。指摘されるたびに、感情が抑えられなくて、
で、カチンって勝手になって、どうしても言えなかった。
「できない事なんて、いっぱいあっていいんだよ。ただ、頑固になって益々閉じていくのは
違うんじゃないか?」
言葉が無い。
「まずは、人が何か言ったら、返事がちゃんとできるようになるまで、躾けをし直す。それが先だな」
「膝の上に来なさい」
「あ。あ。や。待って。返事できる」
「今日は敬語といったはずだね」
「できます」
「じゃあ、膝の上においで」
そうじゃなくって・・・。
「言われた事すぐしないとどうなるか知ってるね?」
このまま、ずっとぐずぐず言うと、本当にまずい予感。
大嫌い。
大嫌い。
お仕置きなんて大嫌いなの。
知ってるよ。いくらでも理由見つけて追加するんだよ。この人。
しぶしぶ膝の上に乗ったら、すぐにスカート捲られて、パンツも下された。
最悪。
恥ずかしいし、怖いし。
やだ。やだ。やだ。
パチン。パチン。
始まってみると、なかなかの痛さ。
本気で態度悪かった事、厳しくお仕置きされちゃうのかも。って今更、自分の態度が
相当まずかったのだと気が付く。
「ごめんなさい」
「誠司にごめんなさいが言えてなかったの、ずっと心の中で重くなってた」
「後悔してたの」
「いやーー。やだやだ。痛いのやだー」
「ひっ。痛い」
「だから、それ痛いから」
「うーん。これまだ序の口なんだけどな」
うそでしょ。
「態度悪かった事は、反省してるの?」
「してる。してます」
「お。終わりにしてください」
「甘えている内は終われない」
「反省してないだろ。口先だけで」
「してる。してる。態度悪かった事は、反省してます」
痛くて、足がバタバタしてします。
「行儀が悪い」
「お仕置き中だぞ」
「だって・・・。めちゃめちゃ痛い」
「文句を言うのか?」
その間だって、ビシビシお尻叩かれる。
マジで痛い。
漸く手を止めてもらえたのは、何度も「ごめんなさい」とどう態度を改めるか
繰り返し言わされて、『態度改めるんだね?これは一般的な事だよ』と何度も確認された後だった。
「お尻冷やそう」
そういって、冷たいタオルを乗せてくれたのでやれやれ終わりとほっとした。
態度が悪かったら、いつでもすぐにお仕置き・・・。
いやいや。考えないようにしよう。まだ決定じゃないし。
「さてと反省したのなら、ちゃんと返事ができるようになったか確認しよう」
「膝においで」
言われてる意味が分からない。
今お尻冷やしてくれてる所だし、もう終わりだもん。
やだやだ。
返事ちゃんとできるか確認するっていって、そんなこと言うなんて、やだ。
誠司の方が圧倒的にうわて。
そんなのは知ってたけど。
けど、そんな確認の仕方ってずるい。
「や。やだ。やだ。もうお尻痛いもん。もうできない」
「なな?返事は?口答えは許さないって言ってあったと思うけど?」
「それともお仕置き増やされたいなら別だけど」
オニ!!
「自分で決めて」
オニ~~。やだ。やだ。やだ。
でも本当は分かってる。ここで返事しないと、無理やりでも膝の上に乗せられて
さらに後悔する事になるって。
「はい」
「膝に来なさい」
誠司のバカバカ。何度も言うなんて。わーーん。
「はい」
声ちっさすぎだろ。
まあ、今日は大目にみてやるか。膝の上できっちり返事の練習だからな。
しぶしぶ膝の上に乗ったけど、お尻がすでにジンジンしてる。
「それで、お仕置き無のゴールデンウィークはどうだったと思う?その方が効果あったかな?」
えっ。今?今それ聞くの?お尻いつでも叩けるこの状態で?
まじで怖い人。
ピシャ
「聞かれことにはちゃんと答える」
ううっ。
「返事の練習だから」
こともなげに恐ろしい事を言うんだ。この人は。
つまり返事しなかったら、ずっとお尻叩かれるし、叩かれる回数増えるってことじゃん。
「返事はできるね?」
「はい」
「よし。じゃあ、最初の質問に答えようか?」
「で、できなかったです・・・」
「そうだね。じゃあ、どうしようか?」
あくまで、私の選択なんだよね。
もうやりたくない。だってお尻叩かれるのやだし、自分ができない事をちゃんと見るなんて
傷口に塩塗るようなものだもの。
傷づきたくない。出来てない自分と向き合うなんて、辛い。
「ちゃんと自分の気持ちを表現したいんじゃないんだっけ?」
「はい」
はあ。どうしおう。やめたいって言ったら、途中で投げたすみたいじゃないかな。
辞めたいっていって、嫌われたりしないかな。
「なな。自分が今心の中で考えている事。迷ってる事を言ってごらん」
「まだ、やめるって宣言してないうちだからね。今は指摘するよ」
い。痛い。痛い。
言ってごらんとか言っておいて、お尻叩くのやめて欲しい。
「や。や。お尻痛い」
「自分で言わないと、ずっと膝の上で、こうしてお尻叩き続けるぞ」
「や。やだ。やだ。ちゃんと言うから、チョットだけ待って」
う。手を止めてはくれた。言えって事だよね。
「その。できなかった時は叱って欲しい」
「じゃあ、口で言って分からなかった時は、今まで見たいにお仕置きでいいのかな?」
「はい」
うわーん。言っちゃったよ。私のバカ。お仕置きはなくなるチャンスでもあったのに。
「つまり、ゴールデンウィークの態度がひどく悪かった分のお仕置きを今からして欲しいという事かな?」
うっ・・・。
「ま、それはどっちの返事をしても、するけどね。始まる前の取り決めだから」
ぞっ。
結局お仕置きは最初から決まってたの・・・か・・。
掌の中で踊らされてただけだよね。
「自分ができなかったから、仕方ないと思う」
精一杯の虚勢を張ってみたところで、本心は今からのお仕置きが怖くて仕方ない。
「できない事があっても怒らないよ。できない事なんて、人にはたくさんある」
「それを隠したり、言い訳したりして、ちゃんと認めない時にはきちんと叱る。それがななの為だからね」
「悪い子にはたっぷりお仕置きする」
パチン!
そういって、再開されたお仕置き。
ごめんなさいを何十回言っただろうか・・・。
誠司がもしこれが最初から全部想定内だったとしたら。
ちょっとだけ彼氏としてチャンスをくれたのかもしれない。
甘い一面。
だけど、だけど、
出来ないときは、とても怖い一面を見せてくる。
そしてその時は絶対に手を抜いたりしない人。
痛い。痛い。ごめんなさい。
この言葉を何度も何度も繰り返して、やっとお尻を冷やしてもらえた。
~蓮の花~