私が知ってる誠司は、客観的な視点を持ってて、包容力があるな。っていう位だった。

 

付き合ってみると、お仕置きの時の絶対甘くしてくれなくって、最後まできっちりの

あの厳しさしか知らなかったからギャップに驚くんだけれど、

ものすごーーーーく優しい。

そしてマメ。連絡とかマメにしてくれるし、なんだか甘い世界に驚くけど、すごく嬉しくて、にやける日々。

 

『誠司ってすごく優しいんだね』って言ったら、

人はたくさんの面もってるからなー。って言ってた。

自分にその人と引き合う面があれば、その人の別の面があることも知ることができるのかもな。

とも言われたんだけど、

だったらお仕置きのときだって、もっと優しくしてくれたらいいのに。

 

それを言ったら、怒られそうだから言わなかったいけれど、

膝の上に乗るようなことになったら、いつだって、めちゃめちゃ怖い。

私の事を思ってくれてる故にだってことは分かるし、私の合意なければこれはしないことだけれど、

本気で痛いし、本気で怖い。

 

「いつもいつも、ビクビクしてるのやなんだもん。誠司が私の事嫌いになったらどうしようって思うから、

前よりもっと言えない事があるんだもん」

 

「なな?」

 

「俺が、ななのこと嫌いになるような事をしたのか?」

 

「違うけど・・・」

 

「いつも怯えてるってこと。嫌われたくないって思うから」

 

「言葉にしない方がいい事だってある。それは分かってるよ。でも今まで俺が自分の気持ちをキチンと話すようにって

言ってる事は、ななが何をしたいと思ってるかを話しするようにってことだと思ってる」

 

「うん」

 

「言えない、言えないを抱えて辛いっていってたのに、自分でその環境また作ってる事の言い訳の材料が俺なのか?」

 

「違うけど」

 

「けど?」

 

「・・・・」

 

これは、堂々巡りだな・・・。お仕置きされたくないだけで、駄々こねてるだけなのは分かるが

言い訳が、言い訳になってないしな・・・。

 

「質問変えよう」

 

「なんで、嫌われるって思った?」

 

「できないから。何度も何度もできないから」

 

「ななには、今できてる事があるのも、頑張ろうとしている事も知ってる」

 

「もう少しがんばったら、もっといいよ。っていう話をしてるのであって、今できてない事を叱ってはいない」

 

「だって、言えない度にお仕置き・・・」

 

「それは、頑張るって約束したことに対して、出来なかった事をさらに隠そうと毎回するからでしょ」

 

「口で言われたらわかる」

 

「頭でわかっても、意識的に変えようという気持ちになるまで腑に落ちて理解はしないでしょ」

 

「お仕置きがないと、右から左へ聞き流すでしょ?」

 

するどい・・・

 

「意地っ張りだからな。ななは」

 

「だって」

 

「今日は、今までの約束してる事を守れてないから、その分のお仕置きはする」

 

「ただ、今後はお仕置きがいるのか、いらないのかの話は、お仕置きが終わった後にちゃんとしよう」

 

それって・・・。

いや、そうじゃなくて、もう今からのお仕置きが嫌だから、お仕置きして欲しくないという話なんだけどな・・・。

 

「お仕置きが嫌なの」

 

「わかってるよ」

 

「わかっててもするの?」

 

「するね」

 

・・・

 

『するね』ってそんなあっさり言わなくたっていいのに。

 

「膝に来なさい」

 

「だって、嫌なのに」

 

「だって、だって、今日クリスマスだし、怖いサンタなんていらないし」

 

「クリスマスにお仕置きなんて恥ずかしい」

 

「トラウマになるよ。だからお仕置きしないで」

 

ふー。

 

随分と駄々こねるな。

 

「お仕置きは、するべき時にする。先送りにはしない」

 

「俺が、なんて言ったか聞こえてたね?それとももう一度言おうか?」

 

動けない。

何度も、膝に来なさいって言わせたら駄目なの知ってるし、

自分でちゃんと行かなかったらすごく叱られるのに。

 

わかってても動けない。

 

「わかった。パドル取ってこよう」

 

「あ!!」

 

「や。まって」

 

「やだ。取りに行ったらやだ。ごめんなさい」

 

「素直になるから」

 

「やだっていったのに」

 

「膝においで」

 

私のお願いは聞きいられず、右手にパドル・・・。ってすごいシチュエーション。

 

とりあえず、テーブルに置いてくれたからいいけど、パドルはいつでも手に届く場所に置かれちゃった。

誠司さんの視界の中に入ってる場所に。

 

それって、使うってこと?

 

 

「誠司さん。ごめんなさい」

 

ぎゅって握りこぶし作りながら、体を固くしてそう呟く。

 

恥ずかしい思いをして膝に乗ってるのに、何も言ってくれない。

 

「サンタは悪い子の所にはお仕置きしにやってくるらしいからな」

 

「や。悪い子じゃない」

 

「ん?」

 

「反省の色なしなわけだな。ごめんなさいはパドルが嫌なだけで言ったみたいだから、そういう子には厳しくしよう」

 

ぞっとする。

 

全部見抜かれてて、全部ぐうの音も出ない。これ以上グダグダ言い訳しないように、最後のトドメを刺してくる辺り、

口では言わないけれど、イエローカード何枚目か自覚しろってことかも・・・。

 

 

「パドルは後でする」

 

「返事は?」

 

「はい」

 

返事???返事が必要?こんな事に!!!

 

「不満そうな声だな」

 

「あ。いいえ」

 

「すみません」

 

分かってて、言ってきてる。

絶対わかってるこの人。私が不満たらたらなの。

そして、絶対わかってて言うなんて本当にオニ!!

 

パチン パチン パチン

 

スカートがまくられ、パンツが降ろされ、そして軽め?に始まった。

ちょっと痛い。

微妙に痛い。ピリッとする。

叫ぶほどじゃないけど、たくさんされたらイライラするくらいには痛い。

 

「ごめんなさい」

 

「何がごめんなさい?」

 

「誠司さんには気持ち抑え込んだりする前に、ちゃんと話す練習してるのに」

 

「言えなくて、また隠してたから」

 

「言えなくてじゃなくて、自分で言わないと決めてるだけでしょ」

 

んーーー。そうなのかな?言葉に出す勇気っていうか、きっかけというか、タイミングというか・・・。

自分の中でもんもんとしちゃうだけなんだけど。

 

「今思ってる事、口にしなさい」

 

!!!

 

「ごめんなさい」

 

「そうじゃないでしょ」

 

「頭の中でぐるぐるシミュレーションしてるでしょ」

 

「・・・」

 

「返事は?どうなの?」

 

「してました」

 

「言いなさい」

 

「手、手を止めてもらったりはできないのかな」

 

パチーン!

 

「いいいいぃ痛い!」

 

「これくらいの強さの方がいい?」

 

「いや、最初の加減でお願いします」

 

ああ!!もう、何自分でも言ってるんだか。最初のだって嫌なのに、いやな事頼んでる。わけわからなくなってきた。

それから、さっき頭の中でもんもんと考えたことを口に出して言わされ、

顔から火が出るほど恥ずかしかった。

 

「恥ずかしいよーーーー」

 

「恥ずかしくはないでしょ。別に。弱っちい自分が恥ずかしいい」

 

 

「誰だってその人にしてあげられることがあることは喜びなんだぞ。頼れ。もっと」

 

え?なんか、今すごい事言われた気がする。え?え?幸せの、お言葉だったり?

ただ、痛くて、降ってくるこの手のスピードが一向にやまない中なので、

感動に浸りきれないのが、最悪なだけ。

 

えーーーー。なんか嬉しい。ああ。でも痛い。

 

「痛い。痛い!」

 

「痛いよな。ちゃんと反省してるのか?」

 

「してます!ごめんなさい。誠司さんごめんなさい。なんか分からないけど、反抗的だった。私」

 

「さっきの私、なんであんなに拗ねてたのか、自分でも分からない」

 

くすっ

 

あ。頭上で笑ったね。今。

 

もしや、もう、膝の上から放免では?

 

「天然だな。ななは」

 

「反省してるみたいだから」

 

そういって、なぜか腰に回す手の力がぎゅっとなって・・・???

あれ?っておもったら、

 

「いったーーーーい!」

 

「やだ。やだ。パドルやだ。反省してるの。反省したから」

 

「反抗的な態度だったし、すぐに膝のらなかったのは、お仕置き」

 

「パドルじゃなくてもいいのにぃ」

 

「いったい!!!」

 

「態度悪い分はきっちりお仕置き」

 

そういって、6発もたたかれた。

オニだ。きっちり、全部に対してお仕置きするなんて。

 

情にほだされたっていいのに。なんでーーーー。なんでそうきっちりとできるの?

最悪。

最悪だ。

 

本当に最悪。

 

「立って。お尻冷やすから、タオル取ってくる」

 

「終わり?」

 

「まだ」

 

うそっ・・・。

 

「なんでーーーーーーー」

 

「終わり!終わり!もう終わりにしてよう。すごい頑張って我慢したのに」

 

「酷いよ。お仕置き長すぎ」

 

「とりあえず冷やす」

 

そういってタオル乗せてくれたけど、

だけど、だけど、まだ続きがあるなんて、そんなに酷い悪さじゃなかったと思うし、

もうちょっと優しくてもいいはずなのに。

 

タオルはひんやりで気持ちいいけど、お尻は痛い。

ジンジンしてるよ。

ジンジンしてるのに、まだあるなんて、そんな再開されるお仕置きへの恐怖を抱えながらこの時間って・・・。

 

しばらくして、タオルを取って、誠司が確認。

これも、なかなかに恥ずかしい・・・。

 

「じゃあ、もう一度膝においで」

 

「どうしても?」

 

「なな?」

 

「はーーーい」

 

「なな!」

 

「はい!」ヤバイ!ってなった。空気がピリッとした。まずい。

 

「そう。返事は短くがいいね」

 

「膝に来なさい」

 

「はい」

 

さり気にやり直し・・・。恥ずかしいんだってば。

 

「のろのろしない」

 

そういってさっさとスカートを捲るって、デリカシーゼロだよ。

 

パチン パチン パチン パチン

 

いきなり、再開。

さっき痛く叩かれた所にかぶせて叩かれると、なんだか本気の、本気の痛さで、

そんなに強くないけれど、こたえる。

 

「痛いです」

 

「痛いように叩いてるからね」

 

そんな返事、いらないです・・・。もう。本当に同じ人?っていう位お仕置きのときはオニなんだもん。

 

っていうか、いくつ?

 

段々、痛さが強くなってきて、我慢できない。

 

「ごめんなさい」

 

「ちゃんとする?」

 

「する。します。ごめんなさい」

 

「態度も改めること。いいね?」

 

「はい。ごめんなさい」

 

っていうか、マジで痛い。体が思わず痛さに反応して揺れる。でもがっつりと抱えられてて、逃げられはしないんだけど。

 

「大分、厳しくしたから、反省ちゃんとできたのかな?」

 

「しました。ごめんなさい」

 

本当に誠司の言う通り、へんな反抗心も、意地っ張りなとんがった気持もぽっきりと折れて、すっかり反省モード。

 

「十分反省してるなら、仕上げにするか」

 

お。おわりでは・・・ないのですね・・・涙

がっかり。

 

「返事は?」

 

「もっと膝に乗ってたいのなら別だが」

 

ドSだな。これは、ドSレベルだよ。

 

「仕上げしてください」

 

何言ってるんだ?私?

 

「痛いから我慢な」

 

パチーーン パチーーーン パチーーーン

 

息が止まった。

 

恐ろしい痛さ。

 

「立って、こっち向いて顔見せて」

 

え。やだ。

 

「お仕置きやだって駄々こねてたけど、その態度はいけないことだってわかった?」

 

子供みたいなんですけどーーー!お説教が子供にするみたいなんですけどーーー!

 

「はい」

 

「なんでお仕置きされたのか言ってごらん」

 

うそ。今日は飛び切り厳しい・・・。

 

もう終わりにして欲しい。お尻叩かれてる方がましかもしれない。恥ずかしい。

 

「ちゃんと言わなかったことが、自分の中でまた抱えきれなくなって、誠司さんに反抗的な態度とってました」

 

「これからどうしたい?」

 

「伴走不要なら、それでもいい。それはななが決める事。伴走やめても、彼氏は辞めないから(笑)気兼ねしないで選んでいい」

 

「ただ、伴走者と、彼氏とは別の役割なのかもな。俺のなかで。だから怖い人は、甘やかしたりはしないし、出来ない」

 

「お仕置きする伴走者か、お仕置き不要で伴走者でいられるかは、ななの態度次第だから」

 

「わかった」

 

「続ける?どうする?」

 

え?今?今返事かー。

 

これで続けないって言えるかな?私?誠司さんは正論で、正論過ぎる事は時に苦しいけど、

 

「もう少し、伴走者が必要かも」

 

「わかった」

 

「お仕置きは終わり。タオルでもう一度冷やそう」

 

「それと、ちゃんと頑張ってればお仕置きはしないよ。それは最初に言ってあると思うけど、隠し事したり、態度悪かった時だけしかしないから」

 

頭ポンポンってするなんて、ずるい。

小さい子にするみたいに、よしよしってされて、なんだか暖かいものが伝わってきた。

 

誠司さんだって嫌な役引き受けてくれてるって私もわかってる。

 

ずっと、ずっとこの人を大好きでいたい。

 

 

「ツリーのライトアップ、見に行くか?」

 

「いくーーー」

 

マメで気が利く優しい誠司の一面だ。よかった。