やるって言った訳だし、真面目に取り組むことにした。

根はまじめなのでね。

 

ただ、次まではさらに間があいて、1か月も先。
数日はまめに連絡しても、当然のようにだれる。

 

地道な作業は飽きる。

 

メールして、ちゃんとやってると、報告するけど、

 

“ちゃんと”って、一体なんだろう?

 

最初ラインで連絡してたんだけど、

すぐに、詰まるような突き刺さる事をストレートに打ち込まれ

 

正直に言う!

 

と何度かやられて、危険を察知して、メールに変えた。

隠してる訳じゃないけど、そんなに心の中にある事ポンポンあけすけに言えたら苦労しないっつーの。

 

1ヶ月空くのいい事に、ゆるーくでも、ちゃんとやってるからと

2~3日に一回は、メールのやり取りでしのいでた。

しかしなー、玄関に立ってこの人の所になんで来てるんだろう?って思いながらピンポンした。

引き返せないかな?

押しちゃったし・・・ダメかな?と思ったら、怖くて胃がぎゅっとなった。

叱られたく無いよ。

 

「お仕置きしないでって言う顔じゃないだろうな?元気ないけど?」

 

「そー言う訳じゃない…」

と言いかけてハッとした。条件反射で取り繕う発言してる。

「じゃなくて、誠司さんにお仕置きされたらどうしようって思ってた」

「痛くされるのは怖くって、嫌だから。私これでも、来るの事だけでも相当がんばったと思う」

 

「あはは、お仕置き前提?」

 

えっ??とおもってふと顔挙げたら優しい笑顔。ずるい。そんな顔するなんて。泣きそうになる。

 

「ちゃんと頑張ってたら、別にお尻叩いたりはしないよ。そーいうことで始めたんじゃなかったっけ?」

 

「だって今までお仕置きされなかったことが無いんだもん」

 

「それは、七海がお仕置きされるような事するからでしょ」

 

ちぇっ。結局そーなるんだもん。

 

「ブスッとしない。態度悪いとどうなるか、言ってごらん」

 

「やだ。言わない」

 

「そんな事言って良いんだっけ?」

 

やだ。言わないもん

 

「意地はってる悪い子のお尻は真っ赤にするけど?」 

 

やだ。やだ。

 

「膝に乗るか?先に?」

 

「やだ」

 

手を引っ張られ、これ以上反抗できないと観念して膝に乗る。

身体が怖い怖いと言ってるよ。

あっ。やだ。いきなりパチン パチンって。や。結構痛いよ。

誠司さん、なんか言って。

怖い

痛い


「ごめんなさいは?」

 

やだ。やだ・・・けど

 

「ごめんなさい」

 

「そこに正座ね」

 

これって、これからお説教されるのかな?

落ち着かない気持ちで、座るものの、お尻はジンジンしているし、私だけ正座させられてるし、

もろ怒られてる図になんだか設定が可愛そうすぎる。私。

 

「我儘と、自分の気持ちをちゃんと伝える事とは違うんだぞ」

 

「わかってる」

 

「わかってない」

 

「やる事やらないで、ヤダヤダ言ってるのなら、子供と同じ」

 

「わかってる!」

 

「『はい』と言う返事じゃなくて、『分かってる』と言う辺りが、拒絶のあらわれなんだよ」

 

「あ・・・」

 

「やっとわかった?」

 

悔しい。ここで 分かったなんて言ったら、私ただの我儘って認める事になる。

 

・・・・

 

・・・・

「大概にしないと損するぞその頑固さ」

 

「自分が無意識に守ってる所を直視するのは、正直大変な事だと思うよ。誰もが通る道でもないし、誰もがやろうとする事でもない。

むしろ、やらなくても生きて行ける」

 

「でも、自分の見ないようにしていた事を直視して、自分が変わろうって思ったのなら、不安に思う事だってあると思うよ。その面倒さとか、辛さに目を向けてたら、いつまでも前を歩けないんじゃないのかな?」

 

「悪かった事があれば、それは事実として認識すればいい。認識した後で、それを続けたいかどうか考えてみる事だってできるよ?」

 

「我儘、続けたい?」

 

ぐっ・・

 

「続けたくは、な・・い・です」

 

「そうだよね?最初に確認した時の意図はそうだったはず」

 

「七海がやらないと、進展は見られないんだよ」

 

「はい」

 

「来るなりふてくされた反抗期も、まあ、たまには許すけど」

 

「許してくれなかったもん」

 

「はは。そうだった」

 

そうだったじゃないもん!
痛かったんだから!

 

「お仕置きはね、するけど、軽かっただろ?俺は、にっこり笑って、きっちりお仕置きするタイプだから。優しくやらせる派だから」

 「そうだな、今から膝の上でタップリ反省しようか?」

 

「え?許してくれたんじゃなかったの?」

 

「ん。気が変わった」

 

ひえー。オニだよ。っていうか、もしかして、私が火をつけちゃったとか・・・。

 

「許してくれるっていったもん。そんな嘘ついたら、ダメだもん」

 

「反省してないからなー。ななは」

 

「し・・てる」

 

「ごめんなさいが、空々しかった」

 

「ごめんなさい。反省しています。態度悪かったです」

 

「正座しなさいと言った時に、ものすごく嫌そうな顔してたでしょ」

 

「正座・・・は、その、嫌い・・だ・から」

 

「やりたくない。嫌だ。自分はそこまで悪くない」

「そういうのが、全て態度に出てるの。そんな子、これっぽっちのお仕置きで許す訳ないでしょ」

 

「パドルも使って、ちゃんと反省出来るまでは終わらないから」

 

「パドルやだ」


 「誠司さん、パドルは許して」

 

「一度宣言したら、きっちりやりますよ。数が増えるかどうかは、ななの態度次第」


「攻略法教えるなんて、優しいだろ?」

 


 

 

「きっちりお仕置きするって怖い事言う人が、優しい訳がない」

 

「あはは。そりゃそうだ」

 

「おいで」

 

「もう?」

 

「もうですよ。これ以上数増やしたくなかったら、すぐに行動に移した方が自分の為だとは思うけど」

 

「・・・・・・・・はい」

 

体に油をさした方がいいのではないかと言う程、ぎこちなく膝の上に乗る。

 

「スカート捲くるよ」

 

「パンツ下ろすから、お腹あげて」

 

さっきは下着の上からにしてくれたのに、やっぱり?そうなの?

きーーー。死にそうに恥ずかしい。

 

あ!痛い。さっきのお仕置きの痛さがすぐに思い出される。

パチン パチン パチン パチン

 

軽い口調で、お仕置きする展開になった割には、相当きっちりなお仕置きだ。まずい。

左右のお尻目がけて、にどんどん、誠司さんの手が振り下ろされる。

やだ。そんなに早く。

そんなペースで叩かれたら、頭の中真っ白になって、痛いしか考えられなくなって、

意地張って、我慢なんて、してられなくって、みっともない位に痛さに反応しちゃう。

 

「自分の言葉で言ってごらん」

 

「人がどう思うと、まず自分の中にある言葉を最優先にしないとね。自分の中の言葉があって初めて、周りと協調できるか考えてもいいんだよ」

 

「一人じゃないよ。一人だったとしても、大丈夫なんだよ。自分が主でいられるのなら」

 

ああ。

何で泣いているの?

言葉が心に刺さる。

 

「頑張れる。大丈夫」

 

やだ。何でこの人、お尻叩きながら私を励ます様な事言うの?

 

泣いちゃう。

 

「えーん。そんな事言われたら、泣いちゃう」

「お尻痛いからだけだけじゃないから。泣いてるの。ひっく」

 

「ひっく。ひっく」

 

「優しくしてもらったら、泣いちゃう」

 

「よしよし。わかったならいいんだよ」

 

「じゃあ、最初の態度が悪かった分だけ、ちゃんとお仕置きしたらお終いだから。10発我慢」

 

「やああああ。それ痛い!パドルしないで」

 

パチン パチン

 

あわてて、逃げ出そうとしたのに、がっちり押さえられてて、それが出来ない。

 

おにーーーーーー。

 

鬼だ。鬼。笑いながら、苦行を平然と良いつける鬼だ。

 

しないでって言ったのに!

 

「きっちりオトシマエ付けるのが俺の流儀だからさ。礼儀は大事だよ。ななちゃん」

 

終わったお尻に冷たいタオルを乗せてもらっても、全然油断できないし、

心開けないんですけど!あんな怖い事されたら。

 

無視。

 

無視だこんな人。

 

「反省できた?」

 

「痛かった」

 

「敬語使いなさい」

 

・・・

 

「礼儀作法は、膝の上でやりたいのなら、付き合うけど?」

 

 

。。。

 

やだ。そんなのーーー。

嫌に決まってるのに。

 

「ごめんなさい」

 

白旗あげるしかない。悔しい。

 

「意地っ張りだね。ななは。素直にしてたら、お尻だってこんなに真っ赤にされずに済んだのに」

 

「そうなの?」

 

「そうですよ」

 

「自分が悪かったのを受け入れて、ちゃんと話をして、それで終わりなのに、こうして毎回

真っ赤なお尻になるのは、ある意味、ななの趣味に近いね。自分でそっちを選択してる」

 

「嫌な方なんて、選択したくないのに」

 

「そうだよね。嫌な事なのに、そっちをどうして選択してるんだろうね?考えてみてご覧」

 

「本当に、変わろうとしたの。最初は」

 

「そうだね」

 

「でも、色んな事があって、なんか、上手くいかなかった」

 

「そうだね」

 

「それで、中途半端な態度を僕に叱られて、それでもまだ、やらないのは、何でだろうね?」

 

 

「意固地になってても、良い事ないんだよ」

 

「わかった」

 

「頑張る。頑張るね。私」

 

「自分が意図したらいいんだ。どうなりたいか」

 

「やるのを止めても、僕は怒らないよ。ただ、やるって言ってるのに、ちゃんとやらなかったら、やってない事には怒る」

 

「うん」

 

「『はい』でしょ?いい加減言葉、気をつけなさい。」

 

「はい」

 

「それと、ごめんなさい」

 

「私、ごめんなさいをちゃんと言わなかった。最初に膝に乗せられた時」

 

「よろしい」

 

頭撫でられて、きゅんとする。時々こうして、私の事を小さな子にするように優しくしてくれる。

 

「ちゃんと人と向かって話して、衝突したのなら、それはそれ。自分を見失わない事。そっちの方がよっぽど重要なんだよ」

 

「わかりました」

 

「嫌な事は、嫌でいい。好きな事が何かを先に見つけたら、また変わってくるし。好きな事を選択してごらん。しばらくは」

 

「はい」

 

「でも、私、好きなものって思いつかない」

 

「でもは禁止。それから、思いつかないじゃなくて、やってみる」

 

「やっても見ないうちから、出来ないなんて言わない」

 

「はい」

また、叱られちゃった。

 

「そうやって、言葉にしてくれたら、違う事は指摘できるし、これは良い傾向なんだよ」

 

「違う事は違うっていうけど、こういうやり取りがななには大切なんだよ。意識してがんばろーな」

 

「ま、当分お尻は毎回真っ赤だから、それはあきらめな」

 

「やだ。お仕置きは回避したいもん」

 

「まあ、頑張れ。回避したくてへんな小細工したら、もっとお尻痛くなるからね」

 

「一応、忠告はしておくけど、こういうのは、体験して学ぶしかないからな」

 


含みあるな、その言葉。なによ。ちゃんとできるっつーの。

 


あー。それにしても、お尻が痛い。冷やしたタオルが気持ちいけれど、それでもお尻は痛いの。

とことん叩くなんて、厳しいよお。

 

言葉で言ってっくれたら分かるのにって、言ってみたら速攻却下されるだろうから言わないけれど。

想像できる。『叩かないと素直に慣れないでしょ』とかって絶対言うに違いない。

 

「さて、一ヶ月あった事話してごらん。姿勢はそのままでいいから」

 

「やる・んだ・・・」

 

もう、お尻も叩かれたし、終わりだと思ってたのに。

 

「やりますよー。精神的にきつい方をきっちりとね」

 

まじ・・オニ・・・・・。