oboegaki
人に弱み見せられない。
辛いんだよー。
こんなのやだよー。
とかいいながらやり切ってしまってる時って、まだそうはいっても頑張れてしまってる。
でも、本当に心の奥底に、自分だけには喋りかけてることは、
もっと、辛くて本当はもう立ち行かなくなってる位に辛いという言葉。
そして、ようやく脱出できそうになってとか、そのことが終わってから
いや~あの時は大変だった~とか軽くしか言えない。
「なな」
「ん?」
「今日はちゃんと話しようか?」
さっきまでのにこやかな誠司はどこにいったんだろう?
ちょっと嫌な雰囲気を感じる。
「仕事、そんなにする必要ある?」
「自宅療養で休んでるんだったら、PCはなんで立ち上がってるの?」
「だって、メール溜まるし、ちょっと見ておいた方が、休んだ後楽だし」
「休みは、体も心も休めるためにある時間なんだよ?」
そうだけど、休んでる時間もあるし
「・・・」
「なな?それともそうやって無理して、人の言う事を聞かないつもりなのかな?」
「・・・」
「ななのこと、大切なんだけど?」
「大切だから話してるのに、顔下向けるの?」
ずるい。そんなの
顔見れるわけないのに。
「パ、パソコンは今落とすから」
「うん。じゃあ、今すぐ落として」
「落とした」
「もうしない」
「そうだね」
「それから?」
うっ・・・
「お休みなのに、休んでなかった」
「そうだね」
「それから?」
まずい。逃げ切れるかと思ったんだけど、誠司怒ってる。こりゃまずい。
「なな?」
「えっと、具合悪いのに、メールみて、仕事するなんて、ダメだった」
「そうだね」
「無理してたよね?」
「してた」
最悪だ。これを言わされたら、完全にダメなのは私だってわかる。
「じゃあ、お膝でちゃんと反省しよう」
「ちゃんと?」
「そう。ちゃんとだ」
「あ。今は具合があまりよくなくて」
「なな?」
「我儘は今日は許さないよ。今日お仕置きしなかったら、また目を離した隙にメールみたりするでしょ?」
「しない」
「お見舞いは、ちゃんと休んでるか偵察するためじゃなくて、
具合悪かったら何かできることないかとか、そういう事をみるために僕は来たいんだよ?心配だからね」
胸が痛い。
「はい」
「じゃあ、お膝においで」
もう、言ってることが全部、全部、私のこと心配って言われたら、なんか泣きそう。
ちょっと気持ち弱ってた所とはいえ、顔見られたくない。
「顔上げて返事」
ドSめ・・・
「はい」
ちらって顔あげて、涙腺にたまってきそうな水分を必死で飛ばして、膝に乗る。
膝に乗ったら顔見られなくて済むし、
痛くて泣いてるって言えばいい。
心配されたから泣いたなんて、そんなの、そんなの。
ペチン ペチン
「さて、今日は素直に膝に乗ったな」
「いつもこうしてすぐに乗ること」
「いいね」
・・・
声出したら、鼻声になりそう。
ちょっと、そんな痛くするって聞いてない。
「痛い。いつもより痛い」
「自分のこと大切にしないと。と思えるようになれるまで、ちゃんと反省しようか」
「わかった」
「わかった。わかった。もうわかった」
そんなこと言いたいんじゃないけど、痛い。
「分かったじゃないでしょ?」
ペチンがだから、いつもより痛いんだって!!痛い。痛い。いや。言いたくない。
やだ。手を止めて欲しい。
無理だし。こんなの無理。痛い。痛すぎる。
「なんていうの?」
「痛い!!!!!」
「痛い以外に言う事があるでしょ?」
止めてよ
手を止めてよ。
止めてくれたら言ってもいいかな。
うん。止めてくれたら。
「なな?」
「わー--ん。ごめんなさい。ごめんなさい。もう無理しない」
「そうだね」
「自分のこと大事にしようね?」
「する。するから」
「よしよし」
「じゃあ、ちゃんとお尻痛くするから、頑張ろう」
が、がんぱるってなに?
「いや。いや。なな病み上がりだもん」
「やだ。誠司終わりにして」
「無理だから」
さんざん無理って言ったのに。
さんさん終わりにしてとお願いしたのに。
そんな言葉が届くわけもなく、
ひどく泣かされた。
でも、痛いから泣いてるんじゃないのは分かってた。
自分のことと大切にしようね。僕も大事に思ってるけど、ななも大事にしようね。
って、そういわれたから。
突っ張って、なんか一人で頑張らなきゃ。って思ってたけど、
もっと、相談したり、自分のこと話したり。この人にはできると思ってたことを思い出したから。
病人にこんなに痛い事する人はオニだとオムけど、
それでも、とっても気持ちは優しい人なんだよ。困っちゃう位に、優しい。
だから終わりって言われた後、今日は胸に顔うずめて、ちょっと泣いた。
そしたら、頭撫でてくれて、
「普段から頑張ってるけど、無理して心が辛いと叫んでる時は、自分でその声ちゃんと聞こうな」
って言われて、涙がまたでてきちゃった。
私、結構辛かったんだなーって思えた。
こんなにちゃんと叱ってもらわないと分からない位に、自分を麻痺させてた。
麻痺しないと自分がもう仕事できない位にオーバーフローしてた。
それを誠司がちゃんとダメってしてくれて、
ちゃんダメなことはダメという人が、大切だからねと言ってくれたその言葉もだから本当なんだと
その言葉を受け取れたから、だから今日は、安心して最後の最後にやっと言えた、心からのごめんなさいで
ようやく膝から降ろしてもらえた気がする。
~蓮の花~